Favorite Books #1
(菅野義孝・著)
分かります!
皆様の仰りたいことは!
…サックス吹きの愛読書の最初に出てくるのが、「ギターの本」って!
いやいや、この本をわざわざ最初に紹介するのには訳があります。
何を隠そう、これは私を変えた本なのです。
まあ、これについては長くなるので後述するとして・・・
この本は、冒頭に書かれていますが
「初心者が独学でアドリブを習得できる」をテーマに執筆された本です。
細かい理論は抜きにして、まずはセッションでアドリブが取れるようになりたいとか、
ごく初歩的な理論を学んでアドリブでの応用力を付けていきたいという人に向いていると思います。
TAB譜などギター専用の箇所もありますが、他の楽器でも大いに役立ちます。
最大の長所は、「厳選されたフレーズ」と
それらが「使える場所」を
初学者でも分かりやすく学べる点だと思います。
あるコードやスケールの構成音を学んだとしても、
そこから自分でフレーズを作るのは初学者には至難の業です。
また耳コピーでフレーズを学んでも、
それを別の曲に応用できないというのもよく聞く悩みです。
その点この本は、比較的簡単に演奏できて
「間違いない」、美味しいフレーズが、
それらがどういうコード進行上で使えるのかと併せて解説されているので、
後々応用がききやすいです。
フレーズは、コード(進行)別に6種類に分類されています。
(ここだけ読んで分かるように若干言葉を補っています)
①メジャーコード上でのフレーズ
②マイナーコード上でのフレーズ
③メジャーコードへ向かうドミナント上でのフレーズ
④マイナーコードへ向かうドミナント上でのフレーズ
⑤リディアン・セヴンス・コード上でのフレーズ
⑥ディミニッシュ・コード上でのフレーズ
実はこの分類がキモで、これらのフレーズを練習していくうちに、
多くのスタンダード曲は、大方、上記6パターンの進行でできていることに気付きます。
そうなれば占めたもんです。
良いフレーズを覚えて、応用する楽しさを存分に味わって下さい!
なお、この本、入門編以外にも、
最初に出版された『目からウロコのジャズ・ギター』、
続編の『続・目からウロコのジャズ・ギター実践編』もあります。
ご興味のある方は是非チェックしてみてください。
『目からウロコのジャズ・ギター』は
ジャズギター教則本のベストセラーとなっています。
さて、この本にまつわるエピソードですが・・・
・・・長くなりますのでここからは自伝だと思って読んで下さい(・∀・)
著者の菅野義孝さんのライブを聴きに行った日のことです。
その時ちょうど発売したばかりで、
ライブにも持参されていた菅野さんの著作(この本については後で紹介します)
を眺めていると、そこに「リディアン7th」という言葉がしょっちゅう出てくるのです。
当時理論初心者だった私はこの言葉がよく理解できず、
ブレイクタイムやライブ後にも、ずっと菅野さんに食らいついて質問攻めにしました。
飲み込みの悪い私は結局、その日「リディアン7th」を理解できなかったため、
後日、その具体的な使い方が解説されているらしい
『入門・目からウロコのジャズ・ギター』を入手して読んでみたのです。
すると、この本のアプローチが自分と非常に相性が良く、
良いフレーズを覚えることの有益さを理解すると同時に
理論を学ぶことの意味や楽しさに目覚め、
「理論苦手モヤモヤ」が晴れて
一気にパァーッと視界が開けたような感覚になったのです。
中でも自分を一番変えたのは、
コードを度数に置き換えて考えるという手法でした。
・・・えー・・・、
きりがないので・・・
これについては次の『ジャズ・スタンダード・コレクション 100』
のページで書くことにします。
それにしても今思えば、かような迷惑な客に嫌な顔一つせず、
丁寧に辛抱強くご教示下さった菅野さんにはただただ感謝しかありません。
仏様です。
今の自分があるのは、菅野さんのあの日のお話があったからです。
ありがとうございます。
ちなみに、菅野さんのホームページには
ご自身の著作の紹介以外にも、様々な練習法が公開されており、
非常に参考になります。
タダでこんなに教えてもらっちゃっていいのだろうかと
罪悪感すら覚える充実のコンテンツです。
ご興味を持たれた方は是非ご一読下さいませ。
→Yoshitaka Kanno official website